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PNC TJ1559 96-002, 239 Pages, 1996/03
「地下水流動に関する調査・解析研究(その5)」として、平成7年度に実施された研究内容は以下に要約される。不連続性岩盤の浸透流解析と確率論的評価に関する研究については、岩盤工学上かつ放射性廃棄物の地中処分を考える上で今問題となっており、さらに今後も問題となる不連続性の岩盤と浸透流岩盤と確率論の適用について研究した。これらのキーワードは、連携もしているが、独立した部分もあり、得られた成果は当初の目的を完全に達成していると言い難いが、相当の結果が得られた。岩盤浸透流の三次元特性の調査と解析については、地下水の三次元解析を行う上で必要不可欠な課題として、ボーリングデータからの割れ目系の水みちの推定法開発の基礎研究、原位置での地盤の不飽和透水特性把握法の実用性の検討および林地蒸発散量推定法の開発を行った。従来の技術を踏まえて、より実用性のある技術を開発するものである。水理試験法及び水理試験装置の開発研究については、岩盤内の浸透を対象とし、岩盤内と浸透特性を把握する方法を確立し、その浸透による物質移動を予測するための計測方法に関する研究を行った。深層水理の調査手法及びモデル化に関する研究については、平成7年釜石鉱山550mレベルのKD90坑道周辺での圧力伝播試験を例として、試験サイト周辺の岩盤状態を汎用の水理モデルにより3次元的にモデル化し、順解析の観点から試験結果と計算結果を比較することで、このような複雑なサイトのモデル化手法、および将来の逆解析手法の適用性を予備的に検討した。地下水の地球化学的特性調査に関する研究については、顕著な岩盤内地下水流動が想定される今市扇状地内2箇所に扇状地礫層を貫通して基盤岩まで到達するような深度200mのボーリング孔を2孔掘削し、比抵抗検層、自然電位測定、キャリパー検層を実施した。扇状地礫層地は、揚水試験により帯水層の透水性を把握し、岩盤部の透水性を測定した。渇水期に当たる95年2月及び豊水期に当たる95年8月の2つの異なる時期に、地下水ポテンシャル測定・区間別地下水採水を行い地下水流動の実態を把握するFlow system studyへの展開を試みた。